法律 ・ 手続 > 会社法の基礎知識
1.会社法の成立
会社法は、株式会社(商法に規定)と有限会社(有限会社法に規定)を区別することをやめ、株式会社に一本化することとした。
会社の形態は、全株式の譲渡を制限(非公開会社)しているか、大会社か、取締役会を設置しているか等によって、分類される。会社は、その形態に応じた異なる規制に基づいて運営されることになる。
既存の有限会社は、会社法施行後も、そのまま「有限会社」であり続けることができ、決算公告義務がなく(決算書を他人に見られない・公告費用がかからない)、取締役の任期の制限がない(取締役の変更手続・取締役の変更登記が不要)というメリットもそのまま享受することができる。また、いつでも、「株式会社」へ商号変更できる(ただし、前述のメリットは失う。)。
2.最低資本金規制の廃止
従来、株式会社(1,000万円)・有限会社(300万円)の最低資本金規制があった。「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」による確認を得れば、最低資本金規制を受けることなく、会社を設立することができた。会社法は、最低資本金規制を設けていないので、より容易に会社を設立することができるようになった。ただし、株式会社の純資産額が300万円を下回る場合には、株主に対する剰余金の配当等をすることができない旨を定めている(458条)。
取締役会を設置しない非公開会社においては、株主総会の承認を受けなければならない。
3.会社の商号
同一商号の問題
「他人の登記した商号は同市町村内において同一の営業のために之を登記することを得ず」(商法19条)、「商号の登記は、同市町村内においては、同一の営業のため他人の登記したものと判然区別することができないときは、することができない。」(商業登記法27条)と規定されていたため、設立する会社の本店の所在地を管轄する登記所(法務局)において、設立しようとする会社の商号に類似したものがあるかどうかの調査を要した。会社法においては、これらの規制が廃止され、「同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止」が商業登記法27条の規定としておかれた。
不正目的による同一又は類似の商号の使用
「不正競争」(「他人の商号として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商号を使用して、他人の商号と混同を生じさせる行為」(不正競争防止法2条1項1号)・「自己の商号として他人の著名な商号を使用する行為」(同法2条1項2号))と判断されると、これによって営業上の利益を侵害される者からの差止請求(同法3条)や損害賠償請求(同法4条)を受ける危険がある。 裁判例(大阪高判昭和41年4月5日):原告「三菱地所株式会社」の被告「三菱建設株式会社」に対する「三菱」という文字を含む商号の使用禁止等が認められた。
また、会社法は、「何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。」「前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。」(8条)と規定している。